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ハイテクモノづくりの街へ動き始めた日本橋でんでんタウン [ハイテクもの作りの街]

◆電子工作教室/発明ロボット塾に続く電子工作系のハイテクもの作りクラブの設立計画も◆


もの作り1.jpg◆電器店が減少してかつての電気街の趣も薄らいでいる日本橋だが、今、新たにハイテクもの作りの街として脱皮しようとする動きがある。3月に開かれた日本橋ストリートフェスタでは、日本橋でんでんタウンのロボット連絡会(代表幹事・蝉正敏ダイセン男子工業社長)が中心になって「通天閣ロボ」を製作し、日本橋の技術力の高さを幅広くアピールした。
 街は次代のもの作りを担う人材を育てる活動にも力を入れており、1年前にスタートした「日本橋でんでんタウン発明ロボット塾」は、先頃、1期生の13人が卒業し、新たに2期生を募集している。すでに歴史のある電子工作教室では毎月、幼稚園児から小学生たちに、もの作りの楽しさを教えている。
 さらに今月には中級レベル以上の人たちを対象にしたマイコンのプログラミングを伴う電子工作教室「Arduinoクラブ」を発足させるという。




◆つい最近まで上新電機の旧キッズランド日本橋店が営業していた日本橋5丁目の梶川ビルに、電子部品販売の共立電子産業(犬塚梅一郎社長)の店舗が7月にオープンする。既存のシリコンハウスとテクノベースが移転するもので、一躍、エレクトロニクスのもの作りの殿堂となる。

 それを象徴するかのように、屋上にはすでに〈ものづくり創造館〉という新しい看板が早々に挙げられた。

 同社の蘇建源会長の提唱によって始まったのが「日本橋でんでんタウン電子工作教室」であった。
ここを卒業した子どもの中には、理科系の学校に進学するなど、もの作りの道を着実に進む者も少なくない。さらにボランティアで電子工作教室を手伝うケースも見られるほどだ。

 その電子工作教室を発展させて、昨年4月にスタートしたのが「日本橋でんでんタウン発明ロボット塾」だった。

 4月25日に第1期生の卒業式、29日には第2期生の説明会と体験電子工作教室が開かれた。
 卒業したのは13人。昨年4月に行われた第1回目の授業の「木工」に始まり、最終授業の「センサーロボットの製作」まで、19回にわたって自分で工夫して製作する授業を体験した。

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発明ロボット塾の第1期卒業生たちとスタッフ

 発明ロボット塾は対象が小学生と中学生。高専のロボットクラブと同等の技術レベルを修得することを目的としている。さらに発明という文字が示すように、自分の創意工夫を大切にし、自らの判断で行動してゼロから工作することを、子どもたちに徹底させている。

 29日に開かれた第2期生の説明会でも、そういった点が強調されていた。
 説明会では早速、紙コップを使った相撲ロボットを作る体験工作教室が開かれた。お父さんやお母さんと一緒になって、作ったロボットで勝ち抜き相撲ロボット大会が行われて、参加者は電子工作の楽しさを味わっていたようだ。

ボランティアの活躍

 日本橋でんでんタウンの電子工作教室などもの作り関連の教室では、たくさんのボランティアが活躍しているのが特徴だ。多くが会社を退職した人たちで、子どもたちの工作や行儀の指導を行っている。

 昨年7月からボランティアに加わってマイコンを使った電子工作の指導などを行っているのがイタリア生まれのマイコン基板「Arduino」の普及を進めているガリレオ7(大阪市淀川区)のメンバーたちだ。

 発明ロボット塾でも、4月に行われた2回の授業はArduino基板を製作して、それを使ったセンサーロボットを作るという内容だった。

 塾がスタートした当初は、こうしたマイコンやプログラミングといった授業の予定はなかったという。しかし、通天閣ロボを作ったロボット連絡会に、昨夏から参加しているガリレオ7のメンバーたちが加わったことがきっかけになって、彼らが発明ロボット塾にも参加するようになったのだという。

 日本橋の誕生しているこうした複数のもの作りプロジェクトが、街に技術を持った人材を集めており、それが子どもたちの教育につながるといった相乗効果をもたらしているのだ。

もの作りの新教室も計画

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親子揃っての電子工作教室

 今までの電子工作教室や発明ロボット塾は、基本的に子どもたちが対象だった。今度は小学生に加えて、中学生から大人までも対象に加える、少しレベルの高い教室の開講を計画しているという。

 「Arduinoクラブ」がそれだ。5月23日に第1回目の教室を開く予定だ。

 従来の電子工作教室でも、子どもたちについてきた親やたちも一緒に作りたいという人たちもいた。子どもたちと一緒になって、電子工作を楽しむ光景は毎回のように見られた。

 今度はそうした大人たちにも、マイコンを使ったちょっとハイテク度を高めたもの作りを楽しんでもらおうというものだ。
 月1回程度の開催が考えられており、でんでんタウン協栄会では「電子工作系のハイテクなクラブにしていきたい」と話している。

行政も関心示す

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日本橋の技術をアピールした通天閣ロボ

 複合的なもの作り教室による街づくりは、将来の日本橋の有望な顧客を作ることにつながる効果が期待されている。

 普及率が高く大型量販店やネット通販の利用が多くなっている家電品の購入では、日本橋と言えども魅力に乏しくなっている。

 他にない魅力と言えば〈もの作り〉をキーワードにした関連商品の販売は、日本橋が昔から得意とするところだ。しかも競争力も持っている。

 「Arduinoクラブ」の開設を計画するスタッフの1人は「これからは日本橋がハイテクもの作りの街であるというイメージを高めていきたい」と話しており、日本橋にある空き店舗をハイテク工房として有効活用する構想もある。

 こうした動きに理解を示す大阪市の関係者もいるそうだ。もし今後、協力体制が実現すれば、日本橋でんでんタウンが官民一体となってがハイテクもの作りの街へと変わっていくのも、そお遠くないかもしれない。

 来年の日本橋ストリートフェスタでは、こうしたもの作りを色濃くアピールする出し物を見ることが出来るかもしれない。




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