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黒猫バイオリン工房、真空管ラジオに魅せられて  お宝ラジオがいっぱい [ラジオ]

◆大阪・日本橋4丁目にある日本橋商店会、通称・裏ニッポンバシと呼ばれる一角に3年前からひっそりと店を構えている黒猫バイオリン工房(三井禅代表)がある。真空管ラジオの修理・販売とバイオリンの修理を行っている。店の前には古い真空管が箱いっぱいに並べられていた。バイオリンの渦巻き状になったネックを店のドアノブとして利用するさり気なくオシャレな、そんな工房を訪ねてみた。

黒猫バイオリン工房.jpg
黒猫バイオリン工房

 店の代表者、三井さんは54歳だが、実際にはずっと若く見える。小学生の頃から日本橋にある部品店を次々とハシゴして、ラジオ製作に必要な部品を探したり、いろんな部品を見て歩くのが大好きだったそうだ。「当時は和歌山に住んでいましたから、小遣いを貯めて交通費を作っていました。ですから日本橋に出てこられるのは、半年に1度ぐらいでしたけれどね」

 大学を卒業して自動車ディーラーに就職したが、その頃から真空管ラジオを集め始めた。そんなラジオを知人に修理してもらったのが、趣味として古いラジオを収集するだけではなく、修理・販売も併せて行っていくきっかけとなった。

高島屋ダイン.jpg
お宝がさりげなく展示されている

 しばらくして、骨董市などで仕入れてきて自分で修理したラジオ販売する店を、アンティークショップがたくさん集まる大阪・上六の一角に構えたが、3年前に憧れの日本橋へ引っ越してきた。
 2000年頃、真空管ラジオにCDプレーヤーをつないで、アンプやスピーカーとして使う商品を自作している。ブティックやカフェ、ヘアサロンなどへ勧めたところ、店のインテリアにもなって、人気商品となったという。
 同じ日本橋商店会にあるカフェでは、今も現役の商品として使われているそうだ。

 このところ弦の張り替えなどバイオリンの修理が忙しい。ミュージシャン仲間の間では、ちょっと知られた存在のようである。

黒猫バイオリン工房・ドアノブ.jpg
バイオリンのネックを使ったドアノブ

 店に飛び込んだのはそんな時だった。ショーウィンドウには百貨店の高島屋のブランドが付いたビリケン型の高島屋オリジナルラジオ「高島屋ダイン」が置いてあった。1933(昭和8)年頃のラジオで、早川電機(現・シャープ)など当時のラジオメーカーのOEM製品といった珍しいものである。
 1950年代に作られたデンマークのバング&オルセン社製の真空管ラジオや、本体がキャタリン樹脂で作られている1946年製の米国製トランジスターラジオなど、工房にはお宝がいっぱいである。

バング&オルセン(デンマーク)製ラジオ.jpg
バング&オルセン社製の真空管ラジオ
高島屋ダインの内部.jpg
高島屋オリジナルラジオ「高島屋ダイン」

 三井さんが真空管ラジオに取りつかれたのは、東大阪市のアンティークショップで1940年代から50年代にかけての米国製ラジオの「ポップなデザイン」に魅せられたのがきっかけでもあった。
「そんなラジオでジャズでも聴いていると、とてもオシャレですよね」

 真空管ラジオの魅力ってなんなのだろう。
 「真空管ラジオでは刺さるような高音がカットされているし、柔らかな中高音が頭の中をほぐしてくれるようなところがいいですね」


 海外製ばかりではない。日本のラジオも「戦後すぐの製品は素晴らしいですよ。今のような工業化された製品づくりにはない職人による凝った作り」は、魅力たっぷりだという。







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