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上新電機、エアコン売上37億5800万円・前年同期比14.7%  2018年第2四半期(18年4~9月)  [決算]

上新電機(大阪市浪速区日本橋西1)が11月9日、2018年4~9月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比3.1%増の1924億円、経常利益は前年同期比22.2%増の54億円、営業利益は前年同期比20.8%増の53億円、純利益は前年同期比38.8%増の34億円だった。前年同期比2桁伸長を見せたエアコン、携帯電話などが牽引した。

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中嶋克彦社長


 〈災害級猛暑〉とも言われた今夏の暑さの影響でエアコンの売上は37億5800万円で、前年同期比14.7%と全商品のなかでも高い伸びを見せた。まさに「夏の暑さに助けられた」業績であったが、冷蔵庫・洗濯機・掃除機など白物家電は全般に堅調だった。
 テレビはまた、地上アナログ停波によると買替え需要もあって、やはり堅調に推移した。情報通信関連では〈格安スマホ〉への乗り換えが進み、売上高の伸びではエアコンを抜いて前年同期比16.4%と、最も高い伸びを見せた。

 ただホビー商品を扱うキッズランド部門は、ゲーム関連商品とりわけ去年発売された任天堂のハイブリッドゲーム機「Nintendo Switch」の需要が一巡したこともあって、同マイナス7.3%となった。これには中嶋克彦社長は「ゲームに左右されないように家電を強くして穴埋めをしたい」と、原点回帰を目指す。

 こうした業績に中嶋社長は「猛暑に救われた増収分野がかなりある。その最たるものはエアコンで、Nintendo Switchの落ち込みを十分にカバーしてくれた。下期は4K、8Kテレビへの期待もあるが、暖冬予想もあって冬物への期待感は薄く、景気は明るくならないだろう」と、今後の懸念材料が大きいことを示した。
 エアコンは秋に入っても「売れ続けており、全国的に高止まりで推移している」という。
 期待感の大きなテレビは「10月以降、予想していた買い控えもなく、堅調に推移している」として、下期以降は4K、8Kテレビを「(売上げ拡大への)大きな要素にしたい」と、明るさを感じさせた。

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高橋徹也営業本部長

 高橋徹也取締役営業本部長は「ハイエンドモデルを使ってもらうなど商品の付加価値を客に伝え切れていない」ことに懸念を抱いているのも事実である。
 「テレビで言えば明暗がはっきりとした有機EL、よりクリアな映像の8K、パソコンならば高性能CPUを搭載した機種、洗濯機は洗剤自動投入タイプといった具合に、ひとつ上の商品を売り切る力を身につけなければいけない」

■ほふく前進の営業

 2019年3月期は純利益が前期比6.6%増の59億円、売上高が前期比1.6%増の3980億円、経常利益が前期比8.7%増の105億円、営業利益が前期比8.5%増の105億円を見込んでいる。増収増益予想ではあるが、決して楽観はしていない。

 下期に向けては「1歩1歩進むほふく前進の営業しかない。コツコツと本業に徹して、1センチでも前に進めたら良いだろう」(中嶋社長)と、極めて同社らしい慎重な姿勢を示している。
 中嶋社長はまた、社長に就任した6年半前から上新電機を〈幸せ提供企業〉として「おもてなしの心と笑顔での接客」を全社員に呼びかけている。それを現実のものにするには「1人ひとりが人間力を高めることが大切」とするが、ここにきて「社内に浸透してきている」(高橋営業本部長)と言われるまでになった。

 ただ家電量販店の現状は「家電品を求めている人が来店して、それに接客して販売している今の量販店は甘え過ぎていないだろうか。かつて昭和50年代前半までやっていた訪問販売を復活させたらいいと思う」と苦言を呈した。

 店舗は、富山本店をはじめ8店舗の出店したほか10店舗を撤収して、店舗数は230店舗となった。


[上新電機 オフィシャルサイト]
http://www.joshin.co.jp/joshintop/index.asp







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第2回日本橋をあそ歩  ロボットを前身・後進させるプログラミング講習や電子工作教室を体験 [日本橋街めぐり]

◆大阪・日本橋の魅力を歩いて探ろう-。「日本橋をあそ歩」の第2回目が、2018年10月29日、女性3人を含む9人が参加して行われた。3Dプリンターを販売する大手情報機器専門店や電子部品販売店、ロボット製作から講習までをしている電子機器専門会社までを訪ねて、エレクトロニクスものづくりの現場を学んだ、そして最後は紙コップを使ってすもうロボットを作る電子工作教室の体験と、参加者は充実した半日を過ごしていた。電子機器専門会社ではロボットを動かす基本であるプログラミングの講習を受けて、自分たちで作ったプログラムでロボットを前身・後進させていた。

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エレクトロニクスモノづくりの街でんでんタウンを知る街歩き


 大阪メトロの恵美須町駅に集合した参加希望者たち9人が、日本橋総合案内所の職員などの案内で、最初に訪ねたのは上新電機J&Pテクノランドだった。ここは最新のパソコンからデジタルカメラ、スマートフォン、組立パソコンパーツ、3Dプリンターまでを揃えた大阪・日本橋でんでんタウン最大級の大型情報機器専門店である。

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ジョーシンJ&Pテクノランドでは3Dプリンターを勉強した

 4階は組立パソコン、周辺機器や3Dプリンター、二足歩行ロボットが並ぶ売り場である。担当者がスマートフォンで二足歩行ロボットを動かしてみせると、参加者はいずれもエレクトロ二クス・モノづくりに関心を持つ人たちで、「学習させることはできないの」「価格は」といった質問が飛び出していた。
 担当者は「このロボットの価格は税込で7万4000円です。学習させることはできず動かして遊ぶ程度のロボットです」と答えていた。

 お目当ての3Dプリンターのコーナーは、エスカレーターを上がったところにある。商品と実際に作った模型を前に「どのような使われ方がされているのか」や、大阪らしく「売れてますか」と、突っ込んだ質問も飛び出していた。

 これには「フィギュアの原型を作ったり、大学での教材用などとしても売れています」といい、販売台数も毎月コンスタントのようで、質問した人も驚き顔だった。
 コーナーの片隅には何故か、40年ほど前のパソコン黎明期の人気パソコン・MZ-80B(シャープ製)が置いてある。案内役からは「ディスプレイもまだブラウン管で白黒でしたし、記録メディアにはカセットテープが使われていました」などの説明に、懐かしそうに見つめる人もいた。

 単に街を見て歩くだけでなく、このように担当者から説明を聞いたり、実際に自分たちの手で作ってみることが出来るのが、エレクトロニクス・モノづくりの街である日本橋でんでんタウンの〈あそ歩〉企画ならでは。

■モノ作りの楽しさ

 次に訪ねたのは電子部品などエレクトロニクスモノづくりには欠かせないパーツや機器がたくさん揃っている電子部品販売店のシリコンハウス共立(日本橋5丁目)。

 まずは1階売り場をぐるっと回って、並んでいる商品の種類の多さに目をシロクロさせていた。そこには子供向けの電子工作キットから真空管アンプ、LEDライト、ケーブルなどから、なじみ深い携帯電話のアクセサリーからiPodやiPhone関連グッズも販売されている。

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シリコンハウス共立ではものづくり工作教室を見学

 3階に上がると、ここの目玉はものづくり工作教室。ハンダ付けの仕方から教えてくれるというから、入門者でも電子工作の面白さを勉強できる。下の階へ降りてキットを買って、この教室で作ってみることも出来る。

 この街の魅力のひとつは、単にモノを販売するだけではなく、モノ作りの方法と楽しさを一から教えてくれるというところにある。
 日本橋でんでんタウンのメイン通りから家電店は消えてしまって、電気の街の姿は様変わりしてしまったけれど、しぶとく生き続け、多くの人たちがこの街へ足を運んでいるのも、こんな所に秘密が隠されているようである。

 ものづくり工作室の入り口のワゴンに無造作に置いてあったのがジャンク品の空気圧ゲージ。1個100円からと書かれている。見学者に関心はこれにも注がれていた。
 解体された機器本体から取り外されたものが販売されているのだが「山積みされていましたが、今は数少なくなりました。購入して何に使われるのかは分かりません」というが、モノづくりファンの心を惹くようである。

■教育ロボットの現場

 3軒目の訪問先、ダイセン電子工業は教育用ロボットの製作・販売と教育を主業務としている。
 2005年にインテックス大阪でロボットの世界競技大会「ロボカップ」が開かれることになって、それに合わせて大阪発のロボットで参戦しよう、と競技用ロボットを作ったのが同社だった。約100チームが参加した世界大会の中で、大阪発のロボットは見事優勝することが出来た。

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ロボットのプログラミングを実習

 こうした同社のロボットは競技大会に出場するとともに、学校での教育にも使われている。それはロボットを組み立てるだけでなく、動かすために必要なプログラムを作るのに、楽しみながら役立つからである。
 プログラムと言っても難しいコンピューター言語や数字を書かなくても、同社が開発したアプリ「Cスタイル」を使うと、ブロックを積み重ねるように、必要なパーツをパソコン画面で並べるだけでいい。

 そこで参加者が体験したのは、ロボットが1秒間前進して停止することと、1秒間後進して停止するといったプログラムを作ること。
 用意されたタブレットを使って、画面上にあるアイコンをドラッグ。前進する時間を1秒間にして、そこで停止すると設定し、ロボット側にそのプログラムをダウンロードすると、ロボットは1秒間前進して停止した。
 基本中の基本のプログラムだが、それが出来た時には参加者からは「オッー」と声が上がり、笑顔になっていた。

■紙コップで電子工作

 最後は日本橋筋商店街振興組合の会議室で紙コップとモーターを使ってのすもうロボットを作る電子工作教室体験。参加者1人ひとりに用意された紙コップなど材料を使って早速挑戦してみる。

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紙コップを使ってすもうロボットを作る電子工作教室

 すもうロボットの足になるのが模型などに使われる小型のモーターである。それを紙コップに取り付け、牛乳パックで作ったリモコンに乾電池を取り付け、ケーブルでモーターとつなぐと完成。
 出来た紙コップロボットを使って、今度は紙で作った土俵で相撲大会。参加した人たちは、まるで子供になったかのように、歓声を上げて繰り返し紙コップロボットを戦わせていた。

 日本橋あそ歩に協力したダイセン電子工業は小中学生にロボット作りの指導を初めて15年になるが「最近はユーチューバーになりたいといった子供たちが多くなっていますが、電子工作の楽しさを教えて、技術者を育てていきたい」と話しており、そうした想いが伝わったのか約半日の体験ツアーに全員満足気な表情だった。






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